全くエラシコができなかった私と、できるようになるまでの道のり①
うまい人ほど簡単そうにプレーをする。
そんなプレーを見ると、憧れる。あんな風に蹴ってみたいと思う。
だが、実際自分で挑戦してみると動きはちぐはぐ・ボールは思ったところにいかない・そもそもどんな風に動けばああなるのかがわからない、、と迷宮に陥ることが多々あった。
やはりセンスなのか、鍛え抜かれたスポーツマンにのみ成せる技なのかと思って渋々納得する今までだった。
だが、YOUTUBEでストリートサッカーの動画をみて見ると、うまい人はうまい。老若男女うまい。
私もうまくなりたいと思った。
気を取り直してボールタッチに関する技術について考えてみた。
新たな技術の習得には2工程しかないと仮定してみる。
1.適切なイメージをもつこと
2.イメージ通りに体を動かすこと
理屈でいえば、この二つさえクリアすればよいのだ。
ただし前提として、対象とするテクニックは、筋肉量・関節可動域の許す範囲のものとしなければならない。
いわゆるセンスの良い人は、プロセス1に対する勘が非常に良いのだろう。
この仮定をもとに、エラシコ習得実験を行ってみた。
まず庶民的なセンスをもつ私は、プロセス1を非常に重視して練習に取り組むことにした。
私がエラシコ(ロナウジーニョの十八番の抜き技)ができないのは、体がうまくうごかないのではなくエラシコをする時の体の動かし方のイメージが全く間違っているのではないか?と疑うことにしたのだ。
今の時代はありがたいことに、エラシコの動画がいくらでもインターネット常に転がっている。
とにかくロナウジーニョのエラシコ動画をなんども見ることにした。
まず通常の速さでリピート再生にしてひたすら見た。
するとエラシコのゲシュタルト崩壊が起こる。なにがなんなのかわからなくなってくるのだ。
全てを理解することを諦めて、足のステップのリズムだけをまず覚えた。
タンタタン これがエラシコのリズムだ。踏切を通過する電車の音と同じだ。
①タン(左足を踏み込み、右足が宙で解放される)
②タ(右足のアウトサイドがボールに触れる)
③タン(右足のアウトサイドがボールに触れ、右足が地面に着地する)
リズムはわかった。
だが、全然できない。まったく意味がわからないレベルでできない。
普通のキックは、一度振った足にボールが2度触れることはない。
足が一度触れれば、ボールは振った方向に飛んで行くのだ。2度触れるのはおかしい。
通常速度で理解することを諦め、スロー再生することにした。文明の利器に感謝する他ない。
スロー再生を穴があくほど見た結果、重心の移動がわかるようになった。
①タン 踏み込んだ左足に重心がある
②タ 踏み込んだ左足から宙の右足の進む方に重心がうつり始める。
③タン 踏み込んだ右足に重心がのる
まずいと思った。
今までの私は、右足の踏み込みを避けていた。左足に重心を置いたまま、つまり片足立ちでエラシコをしようとしていたのだ。
ここで、習得プロセス① 適切なイメージ を持てていなかったことが判明した。
適切なイメージを持てるようになるまでひたすらスロー再生を観察することにした。
続きます。